泣きじゃくる近藤の肩を抱えて、背中を撫でる。 寄り添って座り込んで、そうしてどれだけ経っただろう。 ようやく嗚咽が収まり、息を整えた近藤が深く息を吸い込み、掠れきった声でぽつりと言った。 「俺、トシに、悪いことした」 沈痛な面持ちの近藤に、自分は柄にもないと思いながらフォローを入れる。 「でもあの天人の件だって眉唾ものだし。ほんとにあんたが原因はわかんねえんじゃ」 近藤は、ううん、と首を捻って、鼻をぐずりと啜りあげた。 「でも、そんなら、なんで俺のことだけ忘れちまったんだろう」 自分からそっと身体を離し、近藤は布団の土方のほうへいざり寄る。 なあ、トシ。返事のない問いかけに、胸がいやなふうに塞ぐ。つくづく人騒がせなやつだ。自分は土方を横目で睨んだ。 「キスでもしてやれば思い出すんじゃないですかね」 そう嘯けば、 「そうか」 近藤がこともなげに返事をするのでぎょっとした。見やれば近藤が土方のふとんに覆いかぶさっている。 「ちょ、えっと、」 慌てて声をかけたが、近藤は臆面もなく、ちゅ、と音を立てて顔中にキスを振らせていく。自分は見ていられなくなって片手で顔を覆った。近藤が単細胞で嫌味なんか通じないのを失念していた。ぜんたい恥ずかしいったらない。 「う、ゥ、」 低く呻いた土方に、近藤ががばと身体を起こす。 「トシ?」 俺は耳を疑ったけれど、土方の声は確かに、意味のある言葉を紡いだ。 「んどう、さん?」 111022 |