playboy-playgirl1


久しぶりのカイルの部屋は、俺が最後に訪ねたときとあまり変わった様子がなかった。強いて言うならば本棚にお堅そうな本が増えたぐらいで、窓際に置いてある地球儀や、小さな頃一緒に行った博物館で買ってもらった恐竜の模型なんかは俺が覚えているのと同じ位置に鎮座していた。

「コーラでいい?」
差し出されたダイエットコークの缶を受け取って、俺はカイルのベッドに腰かけた。
「サンキュー」
「スタンがうちに来るのどれくらいぶりかな?」
カイルは俺のすぐ隣に座って、スタンと遊べて嬉しい、とはにかんだ。この長い友人に不義理をしていたことを、柄にもなく少し後悔する。
「最近どうしてる?」
「そうだな」
フットボールはオフシーズンだし、トレーニングだけで単調だ。俺は昨日のことを思い出して、ああ、と喉を鳴らした。
「Dude,聞いてくれよ」
「うん?」
「ウェンディのやつ、半年前に俺が試合中に怪我させられた、ライバルチームの男と寝てたんだぜ。いくら俺達がフリーセックスって言っても、気遣いってもんがあってもいいと思わないか?おまけにそいつは……」
話の途中で、待って待って、とカイルが慌てた様子で遮った。
「その話やめない?」
そういうの苦手。と口元を歪めるので、鼻白んでコーラを煽った。
カイルはエレメンタリーの頃からあんまり背も伸びていない。持病のためバスケットボールをやめてしまったせいか、腰も腕も女の子より細いぐらいだ。可愛いルックスだと女子連中の評判は悪くなかったはずだけれど、どうにもお堅いところがあるようで浮いた噂は聞かない。

カイルは気を取り直したように、ベッドサイドに手を伸ばして、ゲームのパッケージを俺に見せた。
「ねえ、これやろう。僕強くなったんだよ」
そのレーシングゲームは二年前に俺たちがはまっていたやつだった。あのころは俺が九割の勝率を誇っていて、いつもカイルが歯噛みをしていたっけ。
俺は飲み切った缶をカイルに手渡して、代わりにコントローラーを受け取った。


俺とウェンディはここらではちょっと名の通ったカップルだ。
十四の誕生日を迎える頃には六フィートにほど近く、フットボールの州大会ではスカウトに目を付けられるぐらいの俺と、才女で抜群のスタイルの彼女。
週末ごとにシニアハイの奴らのパーティに紛れては、お互いにハンティングを楽しむ。いかにスマートに、あとくされなく、ラブアフェアーを楽しむか。
駆け引きは少々煩雑だけれど、ゲームだと思えばこんなにエキサイティングなこともない。


そう、こんなビデオゲームなんかよりよっぽど楽しい。
レースはほどなく決着が付いて、カイルの操作しているキャラクターがゴールテープを切った。
ハイスコアが更新されるのを見て、やった、とガッツポーズを取ってはしゃぐカイルの頬は上気していて、細い首筋とそれに続く鎖骨がカットソーの襟から覗くのを薄ぼんやりと眺めていたら、俺の頭をあるアイディアがよぎった。そして悪くないアイディアだと思った。
恋人に男と遊ばれたってわかったら、ウェンディどんな顔するかな。
「なあ、カイル」
俺はコントローラをテレビの前に戻して、カイルに微笑みかける。
「なにスタン?」
「初体験済ませた?」
カイルの眼差しがみるみる強張る。
「そういう話はしたくないって言ったろ」
カイルはコントローラーを床に放り投げて、苛立ちを隠さずに言った。俺は確信を深めた。こいつはまるきりバージンだ。
カイルはベッドから立ち上がって俺に背を向け、デスクに置いてある自分のコーラを取った。
「じゃあさ、俺とセックスしてみない?」
こちらを振り向いたカイルは目を丸くして、絶句している。俺は歯を見せて笑った。
「、それ、って、」
うろたえたように開かれる唇は赤く、白い歯の下からピンクの舌がちらりと覗く。
「そんなシリアスな話じゃないだろ」
試しにさ。ちょっとだけ。そう言えば、カイルは低く唸った。
「ウェンディへの当てつけってこと?」
「当てつけっていうほどじゃない。意趣返しってとこかな」
「冗談じゃない、そんなのに巻き込まれてたまるか」
カイルはいよいよ声を荒げて、憤慨して肩をいからせた。
でもカイルの怒鳴り声なんてキンキンしてるだけでちっとも怖くない。俺はベッドから立ち上がってカイルの肩を掴んだ。ゆうに七インチは高い俺は身を屈めて、カイルを覗き込むように顔を近づける。
「俺とカイルの仲じゃん」
「親友はセックスなんかしない!」
尤もらしいことを言う。俺上手いよ?と笑いかけると、カイルは俺を思い切り睨みつけてきた。
「女の子相手の話だろ」
「そう、だから男にもどこまで通用するかなーって、試してみたくてさ」
カイルの襟元に伸ばした指は、思い切り振り払われた。
「ふざけんな」
カイルは耳まで真っ赤になって、唇は震えていて、見開かれた瞳を縁取る睫毛は赤く、俺の中の狩猟本能を呼び覚ます。
俺はカイルを正面からハグして、そのままベッドに押し倒した。
「スタン!」
反論をしようと開かれたのを見計らって唇を奪い、舌を差し込めばカイルの喉から短く悲鳴が聞こえた。

抵抗する気力を根こそぎ奪うために、俺はカイルの腔内を蹂躙した。カイルの唇からはコーラの味がした。化粧のむせ返るような匂いも、リップやグロスのべたついた感触もないのが新鮮だった。
奥で縮こまる舌を誘い出し、舌の根をくすぐって吸う。角度を変えるためにカイルに覆いかぶさるたび、ベッドのスプリングがみしみしと軋んだ。
ほどなくして息ができなくなったのか、逃げるように口を離すとカイルは苦しそうに咳込んだ。
「放せよ、スタン、放せってば」
カイルはもう涙声になっていた。
身長と筋肉の量からいって、ウェイトは六十ポンドは違うだろう。のしかかられて押しのけられる訳もないのに。俺はまだ自分の胸を押し返そうとしているカイルの右手首を握り、いつも女の子にするみたいに手の甲にそっとキスをした。
カイルの股間に割り入れた膝で軽く押せば、そこが熱を持っているのがわかった。小さく息を呑む音が聞こえて、伺えばカイルは顔をあさっての方向に逸らしながら震えている。
「なあ、レイプしたいわけじゃないんだ」
俺はとびきり優しく、耳元で囁く。
「どう、違うっていうんだよ、こんなの」
カイルの声はひきつっている。俺はゆっくり首を振った。
「わかるだろ?俺はただ、お前と気持ち良くなりたいだけで」
カットソーの裾から手を忍ばせ、裸の脇腹をくすぐる。
「ひっ、」
「傷つけたくないから、あんまり暴れないでくれよ」
額についばむようなキスを落とす。カイルの髪の毛はここ何年かでカールが少し緩やかになっていて、フローラルなシャンプーの匂いがして、腕の中で震える体はまるでバージンの女の子みたいだった。そして文字通りこいつはバージンで、奪われることなんて想定もしていなかっただろう。しかも、他でもないこの俺に。

ボートネックの襟を引っ張ってカイルの首筋をキスで埋めながら、上目で部屋を見渡して、サイドテーブルに置いてあるハンドクリームの瓶を取った。これでローション代わりになるだろう。
テレンスアンドフィリップの色褪せたポスターが目について、けれどそれは罪悪感よりも興奮を俺にもたらした。
「やだ、やぁ、」
服を脱がせにかかると、カイルは往生際悪く身を捩ったけれど、もうろくな力は入っていない。
ジーンズを下着ごと取り去って後ろに放る。さすがにもうブリーフは履いていないようで、少し残念な気持ちになった。
隠そうとするのを難なく阻止してまじまじと観察すれば、割礼を済ませているもののそこはまだ幼い大きさで、陰毛も薄らとしか生えていなかった。俺はその生え際を楽しむように指でなぞった。
「お前だってオナニーぐらいはするだろ?」
「知らな、あっ、」
カイルは両手を顔の上で交差させて羞恥に耐えているようだった。
無遠慮に握りこめばペニスは、掌でばねじかけのおもちゃみたいに跳ねた。先走りを指でなぞり、わざと音を立ててやると、カイルが悲鳴じみた声を上げる。浮いた腰はゆらゆら揺れていて、俺はおかしくなってしまった。
「んなの、変だよ、ぅ、」
「変じゃないよ、」
俺は努めて優しいトーンで、左手で宥めるようにカイルの腰を撫でた。女の子と違って少し骨ばっているけれど、尻は小ぶりながらも上を向いていて、俺は自分の性欲が焙られてくるのを感じた。いつだかベーベがカイルの尻を褒めていたことを思い出す。
俺はごっそり取ったハンドクリームを掌で暖め、尻たぶからそっと指を這わせた。
「やだ、やぁ、やめ」
入り口を探って弾みをつければ、たやすく指がもぐりこむ。浅いところを弄るとカイルの反応が顕著だったので、そこを何度か擦ると、カイルのペニスからすぐにミルクが噴き出した。
射精を終えたカイルは脱力しきって、放心したように天井を眺めている。俺は足を大きく開かせて、自分の育ちきったそれをカイルのアヌスに押し付けた。サイズからして入るかどうか自信はなかったけれど、ハンドクリームのぬめりを借りて、俺は辛抱強く切っ先を割り入れた。
「う、」
雁首まで進んだところで俺は呻いた。中はきつく、熱く俺を包んで、当たり前だけれど今まで味わったどのヴァギナとも違った。俺の汗がぽたぽたとカイルの肌に垂れる音を遠くで聞きながら、息苦しさを堪えて残りを押し込んだ。
「ひ、あーっ、ッ、」
掠れた声がカイルの喉から押し出されて、俺は自分のペニスが肉の筒に完全に取り込まれるのを感じた。
「カイル、」
名前を呼べば中が蠢いて、繋がったところがぐずりと音を立てる。
その締め付けで俺は殆どイってしまいそうになって、慌てて腰を引けばカイルの声が裏返った。
「ひゃ、あンっ」
声音はとても痛がっているようには見えなかった。むしろ未経験の快感に戸惑っているようで、半泣きで訴えてくる。
「やだ、ぁ、スタン、こわい、よぉ、」
「、怖く、ないから」
俺はカイルの頬を撫で、額にキスをしながら、怖くないと繰り返してやる。腰を振るたびに中が戦慄いて、奥へと誘うようにひくつくのが堪らない。
「カイル、いいぜ、すげえ、」
「スタン、んんっ」
カイルが俺を呼ぶたびに、頭の中にフラッシュが焚かれて、焦げ付いていくような錯覚がした。