緑が夥しく生えているのを見ると、その生命力に、時折腹の辺りで渦を巻くものがある。それは嫌悪に似ている。 植え込みの葉を、意味もなく一枚、引っ張って千切った。 塀に沿って仰ぎ、晩秋の強い日差しに顔を歪める。くっきりとした輪郭全てが忌々しい。 こんな日は昼寝に限る。 首に下げたアイマスクをぐいと額まで上げ、中庭へと足を向けた。 軒に隠れるようにして道場の裏手を回る。 角を曲がると日陰が終わり、逆光の眩しさに見舞われる。 瞳孔を開き、また縮め、光に慣れるとそこに人影を認めた。 「おう」 お前も昼寝か、と腕を上げて見せる近藤に、手遊びにしていた葉を掌から逃した。 「先客ですかィ」 努めて無感動に云えば、口の端がち、と鳴る。 無防備な表情を晒す土方が、近藤の腿を頭に身を横たえていた。 近藤は反対側の腿の脇を、ぽんぽんと叩いた。 自分は素直に従ってそこに腰を下ろす。 目尻でちらりと、土方を見る。 ガキみたいに無防備な、腑抜けた面。 土方は変わった。正確に云えば、近藤といるときの土方、が。 距離は近く、呼吸は浅く、 視線が熱に浮かされたように近藤を追いかけるようになった。 ふたりの間に何があったのか、察せないほど子供でもない。 自分もどさり、と横になり、近藤の膝に頭を置いた。 アイマスクを定位置に引き下げても、陽光の鋭さが布越しに届く。 まもなく大きな手のひらが額を覆う。その、あまり繊細でない動きに大人しく身を委ねる。 自分も土方も、飼いならされた獣のようだと思う。 このひとに雁字搦めになっているのは俺も同じだ。 力強い脈と圧倒的な存在感。 おれのなかでひしめく、彼女へのひりつく懺悔、こいつへの歪んだ執着。 そういった鋭い刃物のようなものがみんな、この掌に吸い取られ霧散して、 隙間がこのひとに埋めつくされていくのがわかる。 自分の中にそういう装置が組み込まれているのだと思う。 それはきっとすり込みで、けれど決して不快じゃない。 目を瞑れば今度こそ、網膜の赤みでいっぱいになる。 浮遊した意識が指先のリズムに慣れ、ふと墜落すれば、 後は闇、闇、闇ばかり。 |